「昨夜(ゆうべ)のカレー、明日のパン」
著者、木皿泉(きざら いずみ)というのはペンネームなんだって。
夫婦でドラマの脚本を共同執筆しているらしい。
「やっぱり猫が好き」の脚本も手がけてたんだって。
好きだったなぁ、このドラマ!
味わい深い顔つきの女優が3人でセリフを掛け合うと
まるでアドリブみたいに聞こえた。
ま、もちろんのこと、ちゃんと脚本があったわけだ。
長女 かや乃→もたいまさこ
次女 レイ子→室井滋
三女 きみえ→小林聡美
そして、猫。
みんな生き生きしててさ。
本当にこういう姉妹いそう、って思えて
毎回楽しみにしてた。
あ。
「やっぱり猫が好き」の話になっちゃった(^_^;)
今回読んだ本も、「やっぱり猫が好き」同様、一話完結。
それぞれの登場人物が繋がっていて
読み進めるごとに人間関係の相関図が見えてくる。
ある人の違った一面が、別の話の中で描かれていたり
小さなエピソードとして描かれていた出来事が
次の話の軸になっていたり。
何気なく読み始めたこの本。
電車で読んでた時、何度か、本を閉じて深呼吸しなきゃいけなくなった。
いいセリフ、書くんだなぁ〜、木皿泉!!
さすが脚本家。
情景描写も、イメージが膨らむ感じですごくいいし
その世界観で発せられるからこそ効く、という
名セリフがいっぱい。
時にはっとさせられたり、胸の奥の方があったかくなったり。
1冊読み終わった時、ほっこりするのに爽快感もあって、
私の好きな空気が漂っていた。
きめきめのおしゃれなセリフ、ではないのに
その人が言うとリアリティがあって、
その人らしくて、嘘がない。
壮大なストーリー、ではないけれど
そこには人の暮らしがあり
様々な思いがあり
口に出せない言葉があり
そして、毎日を愛おしむ姿があった。
「やっぱり猫が好き」
も
「昨夜のカレー、明日のパン」
も
”暮らし”が描かれている。
私たちが過ごす普通の毎日が
本当は当たり前ではなく
偶然や適当が
奇跡的に重なり合って生み出されるんだなと
再認識した。
小説、書きたくなっちゃったなぁ〜。
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